貞山運河事典

東名・北上運河とともに阿武隈川・北上川を結ぶその全容を紹介します

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3 鳥類

 

 

                                                                                                   (ダイサギ) 

 

 この仙台湾海浜地域は、鳥類の生息地・渡りの中継地として重要な地帯である。すなわち、シギ・チドリ類の渡来地(中継地)として重要な、鳥の海・井戸浦・広浦等が存在する。また、これらの潟湖等は、冬鳥のカモ類等の渡来地となっている。

 加えてこの仙台湾海浜地域は、日本で繁殖する夏鳥の、渡りのコースになっている。

 ワシタカ類等のいわゆる猛禽類(タカ目タカ科・ハヤブサ科)においても、この地帯はその生息地・活動地域として重要である。すなわち、国指定天然記念物のオオワシ・オジロワシが飛来するだけでなく、最近、海岸林において、特殊鳥類および鳥類版レッドリストにおける絶滅危惧Ⅱ類(VU)であるオオタカが営巣・繁殖することが確認されている。

 もちろんこの地域に広く存在する低湿地・ヨシ群落等は、このような環境で営巣・繁殖する各種の鳥類、及びこれら鳥類の巣に托卵するカッコウ科(ホトトギス科)の生息地であり、またサギ類等の生息環境となっている。

① 干潟とシギ・チドリ類

 

 仙台湾地域では、七北田川河口部の蒲生干潟が最も有名なシギ・チドリ類の渡来地である。
現在、鳥の海・井戸浦・広浦の3カ所の中では、阿武隈川河口部の鳥の海が干潮時に出現する干潟面積が広く、シギ・チドリ類の出現種類数および固体数が最も多い。ここには、チドリの大型種であるミヤコドリも渡来している。
 名取川の河口部左岸側に位置する井戸浦は、大潮時に残る澪筋が明確でやや深く、その西側に裸出する干潟には勾配があり、また底質がやや粗いため、シギ・チドリ類の種類数・個体数ともに鳥の海を下回っている。右岸の広浦は、西岸側に出現する干潟に井戸浦と類似の状況があり、主に中央部に出現する干潟にシギ・チドリ類が飛来する。

 

                                               (イソシギ)

② カモ類


 潟湖の水面には、秋・冬・早春にかけて、冬鳥のカモ類が多数渡来して生息する。これに留鳥の多数のカルガモが集まるので、この地域はカモ類の越冬地として重要である。
 また、南蒲生海岸や名取川河口等には、国指定の天然記念物であるコクガンの群れが渡来している。        

                                               (カルガモ)

 

③ サギ類の生息

 

 この地域には、大型種のアオサギをはじめ、ダイサギ・チュウサギ・コサギ・アマサギの4種の白サギ類、ゴイサギおよびササゴイ、ヨシ群落で営巣繁殖するヨシゴイ等、計8種のサギ類が生息する。
 ただしかって仙台空港周辺に渡来した夏鳥のオオヨシゴイ(絶滅危惧ⅠB類)は、最近はほとんど確認されていない。

 

                                              (アオサギ)

④ ワシタカ類の飛来・出現およびオオタカの繁殖


 いわゆる猛禽類であるタカ目タカ科・ハヤブサ科の鳥類では、国指定天然記念物であるオジロワシおよびオオワシが、冬鳥として出現する。
 環境庁(現環境省)が1998年に改定した「日本版RDBの98年見直しによる鳥類版レッドリスト」では、オジロワシは「絶滅危惧ⅠB類(EN)」、オオワシは「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」である。また両鳥とも「特殊鳥類」である。
 さらに、非繁殖期にはミサゴおよびハヤブサがこの地域のやや広い範囲に出現する。また、ハイタカ・チョウゲンボウおよびノスリの出現頻度が高く、チュウヒ・コチョウゲンボウ等も出現している。
 最も注目されるのは、最近、オオタカが海岸林において営巣・繁殖することが確認されたことである。オオタカは鳥類版レッドリストにおける「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されている。

             

                                           (チョウゲンボウ)

⑤ ヨシ群落等で繁殖するオオヨシキリ・コヨシキリおよび托卵鳥等

 

 この地域のヨシ群落等では、夏鳥のオオヨシキリおよびコヨシキリが繁殖する。干潟内のヨシ群落内等ではオオヨシキリの個体数がはるかに多く、コヨシキリは堤防沿いの草原等にいる傾向がうかがえる。
 オオヨシキリは、用水路に沿った小規模のヨシ群落にも生息しており、春期から夏期にかけて、この地域で最も顕著な鳥類である。
 このヨシ群落とその周辺では、托卵するカッコウの活動が顕著である。

 

                                            (オオヨシキリ)

⑥ 鳥類の渡りの途次の立ち寄り


 この地域では、山地で繁殖する夏鳥等に接する機会が少なくない。例えば北海道の草原や、本県の山地草原等で繁殖するノビタキ、北方で繁殖するコメボソムシクイなども出現している。これらは、渡りの途次の立ち寄りと考えられる。これらのことから、この地帯は、多くの鳥類の渡りのコースとなっていることが推定される。
 秋期には、ヒヨドリの小群や、ややまとまった群れが、貞山運河沿いのクロマツ並木等を伝うように南下している。

 

                                               (ヒヨドリ)

⑦ 各種鳥類の越冬


 この地域はまた、冬鳥や、漂行してくる鳥類の越冬場所としても注目される。
 冬鳥では、ツグミ・シロハラ・カシラダカ・マヒワ等が生息する。カシラダカ・マヒワは、群れで行動している。シロハラは、ここでは単独個体の行動であった。
 本県では留鳥のヤマガラは、繁殖期には山地等の渓流沿い等に生息するが、冬期には貞山運河の堤防上の自転車道の路上で探餌行動を行なっていたりする。

 

                                               (マヒワ)


              出典:『仙台湾海浜地域保全計画(学術調査編)』 平成11年3月 宮城県
                  (注)一部省略して転載しています。
              画像提供:尾道情報教育研究会

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