貞山運河事典

東名・北上運河とともに阿武隈川・北上川を結ぶその全容を紹介します

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広浦

 


                                           (広浦の南西部)
 

                                           (閖上漁港)
 
○成立過程

・広浦地域の明治末期から近年までの地形の変遷は、「井土浦地域」で紹介する図のとおりであ
 る。
・明治40年の地形図を見ると、現在の河口より南側の広浦の中ほどに海側への開口部が確認で
 きる。閖上風土記を見ても、「大正の初期までに名取川の河口は広浦の南端にあった。」との記
 述があり、概ね一致する。
・昭和3年の地形図によると、名取川の河口は井土浦を700mほど北上したところで海側に開口し
 ており、井土浦と広浦が一つながりになって名取川を柄にしてT字型に広がっていた。現在河口
 となっている位置は砂浜がつながっており、河口は常に移動していた。
・昭和19年の地形図では、名取川河口は現在の位置に開口しているが、その他に大きな変化は
 ない。
・昭和43年の地形図では、閖上漁港の岸壁や名取川河口の導流堤が整備されて、ほぼ現在の地
 形となっている。
・昭和57年の地形図では、広浦東岸にサイクルスポーツセンターが整備されている。
・この間、広浦南部の地形は河口の位置を除いてほとんど変化していないが、広浦北部について
 は、戦後一部で埋立てが行われ、漁港や市街地が整備されるなど、大きな変化を遂げている。
 
 
○自然環境の特徴

・北側には閖上漁港、サイクルスポーツセンター、福祉施設等が整備され、人為改変が進んでい
 る。
・潟湖南側については、海側に幅300mのマツ林と砂浜植物群落が発達し、広浦の岸辺にはヨシ
 原も良く発達しているなど自然環境が良好に保たれている。潟湖としての規模も大きい。また貞
 山堀西側にも良好な自然環境を有する地域が広がっている。
・植物版レッドリスト絶滅危惧Ⅱ類で当地域が北限のハマサジの自生地である。
・広浦の中央部に出現する干潟には、シギ・チドリ類が飛来する。また、冬期にはカモ類の飛来も
 見られる。
・井土浦と同様に魚類の種数が比較的多く、潟湖定住魚のほかに外洋魚の出現する割合が高
 い。特に、スズキ、クロダイ、イシガレイ、コチ等の幼・稚魚が出現しており、外海の漁業との関わ
 りで重要である。
・潟湖北側については、自然環境の改変が進んでいる。また、車両が広浦橋を利用して海岸近く
 まで乗り入れ、釣りやサーフィン等の活動が盛んな地域となっている。

○景観上の特徴

・典型的な潟湖の景観を示し、海岸の改変によって自然性が低減しているものの、広い湖面と南
 西部のヨシ原など、原風景の面影をまだ十分に残している地域である。

○地域指定等の状況

  ・仙台湾海浜県自然環境保全地域
  ・保安林(一部)
  ・特定植物群落(仙台湾沿岸の海岸林)
  ・特定植物群落(仙台湾沿岸の砂浜植物群落)


                 出典:『仙台湾海浜地域保全の進め方』 平成12年3月 宮城県
                                          閖上漁港(画像)=『宮城の漁港』 平成16年3月 宮城県                                   
 
 
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